ごあいさつ
日本バレエ界は戦後50年間にわたり国立バレエ高等学校の開校を国に陳情してきました。しかし、2007年春、文部科学省は国立バレエ高等学校開校の計画の凍結を決定しました。この知らせに多くのバレエ教師とバレエを学ぶ少年・少女が悲しみました。
全日制のバレエ高等学校を設立したいとの全国のバレエ教師と子供たちの想いは大学でバレエを研究する学者たちの心を動かし、ここに東京大学、武蔵野美術大学、法政大学、東海大学、白百合女子大学の教授が中心となり、全国の大学でバレエを研究する学者が集まる比較舞踊学会(文部科学省学術登録団体)とロシアとの文化交流を進める日本ロシア協会が後援する全日制バレエ高等学校が開校しました。
2008年4月、東京高等バレエ学校が誕生しました。ロシアをはじめとする欧米のバレエ学校で訓練を受け、国内外のバレエ団で活躍し、バレエ教授法を学んだ日本人バレエ教師、ロシア人バレエ教師、大学で最新医科学、身体科学を研究する学者が共に協力し、バレエ芸術家の育成を始めたのです。
欧米のプロバレエ団のオーディション合格を目指した訓練カリキュラムと時間割を考案した結果、2013年春、本学で学んだ生徒は日本人として初めてロシア国立マリンスキー歌劇場バレエ団に入団。さらに、同年8月Kバレエカンパニー「白鳥の湖」公演で主演デビューを飾りました。また、本学生徒は例年文化庁主催全日本バレエコンクールに東京地区代表に選ばれ、上位入賞を果たしています。
2015年ワガノワバレエアカデミー校長ニコライ・チェスカリーゼ氏は本学名誉教授に就任、本学の教育の質の高さがロシアバレエ界で認められました。同年国立モスクワ芸術大学と学術提携を正式に締結、本学卒業生は同大学舞踊学部バレエ学科に留学後、ロシア国家バレエ教師資格の取得が可能となりました。
このような優れたバレエ教育は東海大学付属望星高等学校の協力により高等学校卒業証書の取得を可能にしたことで、高校3年間、昼間にバレエに専念する道を開きました。この結果、本学は例年2~3名の卒業生が欧米、日本国内のプロバレエ団オーディションに合格する高度なバレエ教育を実現しました。
ここにロシアのワガノワメソッドの習得と高等学校卒業資格を可能とした本学へのご進学をお待ちしています。
東京高等バレエ学校
代表世話人 里見悦郎